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アンデス25

以前、ヨーロッパで発見された 3万5千年も前の骨笛のことを記事にしました
日本でも縄文時代後期には既に 人工的な細工が施された磐笛が存在していたことが 近年の発掘調査で明らかになっていますが、それでもせいぜい5千年から7千年といったところ・・・
(「せいぜい」とか言うのは、孔の開いた石が神妙な音を奏でることを発見した 天才先駆者に失礼ですが

もちろん現代よりもずっと過酷で 生命の危機に直面することも多かったであろう石器時代には、信じられないほどの精神的なゆとりと想像力・技術力が必要とされた筈です。
太古の世界にあっては 楽器というものは殆ど必ず神や自然信仰と結びついていましたので、楽しみの為だけに創意工夫したものだとは断言できないんですが―――『無くても死なない』 ことだけは確かですよね (^^;)
そういう意味でも、人類が生活必需品以外で作り上げたツールとしては まさに驚異的な発明品だったと思います

大きな巻貝や動物の角、シロアリが食べて空洞になった丸太、瓢箪、竹、骨、石・・・人間は身近に利用できるあらゆるものを 独自に工夫しながら楽器にしてきました。
そのうち太鼓と金属のガラガラを組み合わせたタンバリンや 木枠と箱に糸を張るハープ・チターなど、コラボ発明とも言える楽器の数々が登場してきます。
日本の三味線だって弦楽器ですが、胴体は猫の革を張った小さな太鼓ですよね

中でも鍵盤機構の発明は、管・弦・打と 様々な楽器と組み合わせることが可能だという点で 更に画期的だったと言えるかも知れません。
指の替わりに弦を弾く仕組みのチェンバロ、叩くピアノ、突くヴァージナルなど 色々な楽しい楽器が考案されてゆきます。
弦楽器だけでなく、リコーダーのような笛と組み合わされたものの代表がオルガンです

santi 『ムーサ(ポリュムニア)』

膝に乗るような小さなものから ストリートオルガンなどの横に立って演奏するサイズ、教会では高さ30mの巨大なものまでが製作されました。
人の息で笛を鳴らす替わりに 鍛冶屋さんで使うようなフイゴが付いていて、管に風を送る仕組みになっています。
優雅で荘厳なパイプオルガンの音色が 教会で信徒を感動させている最中、教会の裏手では数人がかりで必死に大きな足踏み式のフイゴを操作していたりしたんですね
学校の教室にあるキーボードも 現在ではデジタル音源の小型シンセサイザーになっていますが、昔のオルガンはその時代の仕掛けから何も変わっていなくて 先生がフーコ、フーコとペダルのフイゴを踏みながら演奏するものでした

オカリナやリコーダー式の管―――或はクラリネットや篳篥、ハーモニカのように リード(振動舌)を備えた楽器は音も出易く、人間が口の形を苦労して作らなくても鳴ってくれるものなので 風さえ送ってやれば済むんですが・・・
ケーナや尺八、サンポーニャのようなパンパイプとなると そうはいきません。
僕が教室で演奏法を教える時にも 一番時間のかかる、微妙で難しい部分なんですね~
もしこれを鍵盤楽器にするとしたら、と考えると 機構もかなり複雑になるでしょうし、だいたいそんなに無理して新しい楽器にする理由も あるような無いような。
なんて思っていたら、とある楽器メーカーが華々しくも・・・やってくれちゃいました (^^;)
サンポーニャを鍵盤楽器に仕上げてしまった、その名も 『アンデス25』

andes25f_02.jpg

す、素晴らしい
いや、楽器としての必然性や 音色の完成度うんぬんではなくて・・・そのアホなチャレンジ精神が
ちょっと見は昔のピアニカみたいですが、想像していたよりもずっとカワイクて―――間抜けな音がします (^^;)

演奏リンク “アンデス25”
(巧く飛ばない方はコチラをコピペしてください ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=V1wA3Z7xrq0 )

この演奏、何度か聴いたことがありましたが・・・へぇ~、これがアンデス25だったんだ☆
何と言うか、前時代的な脱力感がたまりませんね。 う~む、あの重々しい曲がこうなってしまうとは 
恐るべし、アンデス25・・・ちょっと欲しいぞ
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音楽・楽器