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巳ーさんの年

新しい年は波乱の幕開けでしたが、アッという間に もう半月以上も過ぎてしまいましたね☆
皆さんのお宅でも 鏡開きは済みましたでしょうか

今年は蛇年ということで、あんまり好きじゃないって方も多いでしょうが・・・
実を言うと何年であろうが、お正月というのはイヤでも 『蛇』 に関わってくるものなんです

鏡餅

鏡餅―――もともとは神棚にお供えする神饌(神様の食べ物)ですね。
新しい年の初めに「自己を鑑みる」 からきているとか、ミカンでなく橙を飾るのは「代々栄えるように」とか・・・
シャレというより目出度い言霊好きの日本人は 色々な理由付けもしてきましたが、実はどれも後から考えられたものなんです。
古くから神道では橙を玉・柿串を剣・餅を鏡と見立ててきました―――だから鏡餅というわけ。
つまり・・・三種の神器の象徴なんです、コレ
よーく見ると餅の間に黒くて平たいものが見えますが、コレは昆布です。
三種の神器が制定されるより古い時代には 十種神宝(とくさのかんだから)というものがあり、この中には剣・玉・鏡の他に比礼(ひれ)なるものが含まれています。
これは振って魔を祓う為の神聖な布なんですが、昆布は比礼に見立てられているんですね。
今ではイセエビとか末広なんていう目出度いものを一杯くっつけるのが主流になっていますが、もとはこの4つが鏡餅に欠かせないものでした。
でも鏡餅のルーツは蛇神信仰に関わるもっと古いものだ、と主張する民俗学者や言語学者も数多くいます。

蛇の古語としては「ハバ」や「ハミ」、「ナギ」などがありますが(ウナギという言葉に残っていますね)一番多いのが「カガ」という言葉。
大蛇を意味するヤマカガシや蛇の目という意味のカガチ(ホオズキの方言)などは、今でも使われています。
田んぼに立っている案山子(かかし)という名前も、実は作物に害を為すネズミや野鳥を追い払う 蛇神からきていたりするんです

そして『鏡』は真実を見抜く蛇の目、カガメからきているという説が 今では定説になっています。
鏡餅もカガミ・・・蛇身、つまり蛇が二重にとぐろを巻いている姿だと言われているんですね
そう言われりゃ妙に生々しい 白蛇に見えなくもありませんが・・・

お正月は勿論 神社に欠かせないもうひとつのアイテム、注連縄(しめなわ)も コレまた蛇だったりします。

注連縄

これは二頭の蛇が絡まった、交尾の時の姿だとされているんです・・・当然、こっちもそうだってコトですね

しめ縄飾り

魔を締め出す神聖な領域を示すものですが、玄関先で蛇が交尾って・・・ちょっとな~って気もします (^^;)
元は脱皮して永遠の生命を保つと信じられていた、蛇の霊力にあやかろうとしたものだったのでしょうか

蛇を崇める民間信仰は超古代にまで遡り、かの縄文土器には 殆ど必ずといっていいくらい蛇のモチーフが付けられています。
世界的に有名になった火焔土器も、実は炎の形ではなく 全て蛇が鎌首を持ち上げた姿なんですね★

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縄文の昔から現代では意識しない部分にまで、日本と言うのは 様々な形で蛇神を祀ってきた国なのかも知れません。
まぁ そんなのイヤだ、キモチワルイという向きもありましょうが・・・あまり毛嫌いせず、超古代からの信仰を 時には見直してみるってのもイイんじゃないでしょうか。
その計り知れないパワーで、今年は例年にも増して良いことがあるといいですね
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文化・歴史