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ハーメルンの笛吹き

最近TVなどで、ミュージシャンやスポーツ選手が 「元気と勇気を与えたい」 とか 「被災地に癒しを届けたい」 とコメントしている場面が多いですね。
言わんとすることは勿論よく解りますし、自分の仕事、持っている特殊技能で 何とかしたいという気持ちは同じなのでしょうけど―――。
どうも何かしっくりこない・・・別に表現だけを取り上げて 批判するつもりなど毛頭無いのですが、「この私が救って差し上げましょう」 みたいに聞こえてしまうのは、僕がヒネくれてるからなんでしょうか σ(^^;)
それに そもそも自分がそれらを持っていたとして、果たして全ての人に与えたり届けられたりするモノなんだろうか?

「そばよし」 のライヴに来られた方々から頂いた 有難いお言葉を反芻し、微力乍らもお役に立てる場面が他にもまだ在るのかもしれないと感じていた矢先・・・色々と考え込んでしまいました。
人々の驚嘆や感動を喚起するに足る 特殊技能を持っているのかどうかは別にして、自分は常に 好きなことを極めようとしているに過ぎないのだと思っています。
それがたとえ 一時の傷ついた心を和ませたり、沈んだ気持ちを昂揚させるような効能を 本当に含んでいたとしても、時や場面・相手を選ばない万能薬になり得る音など 果たしてあるんだろうか、なんて。
これは波動を発する側の立場として、とても微妙で 場合によってはある種の危険性さえも含む問題であるように感じているんです。
ここで思い出されるのは 一種の精神セラピーとしての音楽療法ですが、1対1で相手の精神状態を探り 波長を合わせてゆく 「セッション」 と呼ばれる手法には、その効果や汎用性と共に まだまだ研究されるべき余地があると言われています。
「落ち込んだ気分が癒された」 「新たな元気が湧いた」・・・こう言って下さるのは 結果として音楽療法効果の範疇に入るのでしょうけど、非常にクールな見方をするなら その方々とは “たまたま波長が合った” だけなのだと言えるのかも知れません。
そんなオールマイティで有益な音が本当に存在し、それを意のままに駆使することが出来たら どんなにか素晴らしいでしょう。

若者にとって人生で最高にハイになれる ある種の音楽も、別の年齢層の人が聴くと 騒音でしかないという事実には、僕が昔から一番好きだった童話に 少し似ている処があるような気がしています。
何とも不気味な雰囲気と謎を湛えた ドイツの民話 『ハーメルンの笛吹き』 ・・・。

穀物倉を荒らすネズミに悩まされていた中世ハーメルンの領主は、ある日異様な風体をした旅の笛吹きと ネズミ退治の契約を交わします。
彼が奏でる不思議な笛の音色に惹かれて その後を追った街中の何万というネズミは、そのまま川へと誘われて 全て溺れ死んでしまうのです。
余りの簡単さに大金を払うのが惜しくなった領主は、市民と共にそれが偶然だと難癖をつけ 契約を反古にして笛吹きを追放しようとします。
怒った笛吹きは、明くる日広場で 全く違う旋律を奏で始め、今度は街中の子供たちが夢遊病のように・・・

110409_1750~01

何十人もの子供たちは、そのまま笛吹きと共に 行方知れずになってしまったというお話。

この童話は 半分史実に基づいていると伝えられ、一夜にして全ての子供たちが消えた年月日も 碑文としてハーメルンの歴史に厳然と刻まれています。
当時横行していた子供の誘拐と農奴売買、ネズミと結びつく黒死病(ペスト)の蔓延、少年十字軍など 様々な説がありますが・・・妖しい異国の笛吹き、そして「笛の音」が持つと考えられていた魔力と結びつけられている処に 何とも心魅かれます。 
因みに 謎の事件から数百年経った現在でも、街のメインストリートは “ブンゲンローゼンシュトラッセ(音なしの通り)” と名づけられ、音楽を奏でることが厳重に禁止されているそうです。

ある年齢層にしか支持されない音楽というものが 実際この世にに存在する以上、この怖い童話が 荒唐無稽なお伽噺だとは、一概に断言できないのかも知れません。
この時はたまたま 事の流れでつまらないネズミ退治や恐ろしい報復に使われてしまいましたが、相手の特徴や嗜好の全てを知り尽くし 波長をピンポイントで目標に合わせる能力を持った彼なら、こんな時にもきっと 「この私がお手伝い致します」 と胸を張って言えることでしょうね。
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