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夏の終わりに

陽が落ちてからは 少し凌ぎやすい気候になってきましたね
コオロギやカネタタキの声も少しずつ増え、秋の気配も感じられるようになってきました。
でも昼間の暑さはまだまだ・・・台風が接近しているせいもあるんでしょうか、陽が照っていない日でも この蒸し暑さったらありません
ちょうど知多半島でも不思議な目に遭ったところですし、たまには涼しくなる話をひとつ。
(コワイのが苦手な人は 読まないで下さいね ^^;)

今から30年以上前の事になりますが、僕は小学生の頃から続けてきたボーイスカウトの リーダー格にあたる“シニアスカウト隊”に所属していました。
子供の頃は 当たり前ですがリーダー達に常に見守られ、危険を伴う場所でのハイクやキャンプなども 極力避けた形での活動に限定されます。
しかし高校生以上のシニアスカウト・大学生のローバースカウトになってくると、かなり強行軍のハイクや危険な山での野営など 「訓練」 にも近いカリキュラムが課せられたりする事になってきます。
今度は逆に 子供達を守り指導する立場になる訳ですから、緊急時にもとっさの対応が出来るスキルを身につけることが要求されるのですね。
そんな活動をしていた頃のお話・・・

その年は夏休みを利用して、長期の移動キャンプが計画されました。
大抵の場合 一度テントを設営したらその場所から動くことはなく、そこを起点にした周辺探索やサイトの整備をしながら 3泊ほどの野営になるのが普通です。
夜明けになったら迅速にテントをたたんで 備品も食料も全て担いで移動、次の野営地を探して 日暮れまでに再び設営・・・これを数日間繰り返すのが移動キャンプ。
酷暑のさなかに数十㎏の荷物を抱えて 延々歩くだけでも大変ですが、寝起きするテントは勿論 カマドから簡易トイレまで そのたびに作り直さなくちゃならない訳ですから、なかなかに過酷な行軍です。

この時の予定は、一週間かけて四国の室戸岬から足摺岬までを 3人一組で走破するというもの。
今でこそGPSも携帯も普通にありますが、当時は一旦現地へ入ったら連絡手段は公衆電話しかありませんでした。
しかも(現在はどうなっているか知りませんが)途中の海岸地帯にはやたらと寂れた土地が多く、地図には載っているものの 実際に行ってみたら人っ子ひとり居ない廃村だった、なんてこともしばしば。
そこで連絡や食料調達をする予定だった我々は、いきなり想定外の半遭難状態に陥る羽目になりました。
まだ綺麗な廃村の井戸を見つけて飲み水を確保したり、破棄された畑から道にまで溢れて自生している キュウリやスイカを食料にしたり・・・
まぁサバイバルの訓練としては、充分 実りあるものになってくれましたけどね (^^;)
そうしてようやく足摺岬まであと2日という処まで辿り着いた ある晩、我々は珍しく浜辺にキャンプを設営しました。
満潮で水没する危険性があったりもするので、普通は避けなくてはならない場所なんですが・・・その時は崖にも近い山肌がすぐ傍まで迫っていて、設営に相応しいスペースが無かったんですね。
周辺にはずっと石浜が続き、海水浴場どころか漁村らしいものも無い所でしたが・・・遠くに明かりすら見えないような 寂しい場所での野営も、後半になれば慣れたものです

キャンプ

只でさえ重い荷物に 石浜の歩きにくさと暑さ、昼間ルートを間違えて距離をロスしたことなども重なって、疲れきった我々3人は早々に食事を終え テントの中で眠りについていました。
真夜中の2時頃、仲間のひとりがいきなり 「おい、おい」 と僕を揺さぶって起こすのです。
明日も早いんだし、疲れてんだから勘弁してくれよ・・・と思いながら眠い目をこすっていると、テントの外に誰か居るような気配がしました。
野営をしていると 夜中に危険な動物が食料を漁りに来ることもあり、皆そういう気配には敏感になっているのですね。
誰か、仲間の一人がトイレにでも行ったのかな? とも思いましたが

「な? 聞こえるやろ? さっきからずっとやねん」

囁くようにそう言った彼は もう一人の仲間を必死に起こそうとしています。
え? それじゃ誰か土地の人間が、こんな場所で火を焚きやがって・・・と文句でも言いに来たのか。。。
しかしどうやら そうでもないらしい、ということは すぐに判りました。
石浜を踏みしめるザク・ザクという音は かすかに続いているのですが、近くに寄ってくる訳でもテントを訪ねてくるでもなく ただずっと歩いているだけ。
変なヤツだと怖いので 3人ともシニアスカウト必携品の登山ナイフを出し、テントの真ん中に寄り添うように固まりました。

「だ、誰ですかっ!?

一人が勇気を振り絞って叫ぶと、足音がピタッと止まります。
しかし返事がある訳でもなく、暫くするとまた ザク・・・ザク・・・と テントの周りを ゆっくりと歩き始めるのです。
夜明けまではまだ4時間近くあるし、幸い足音からすると一人らしい。 こうなったら3人で脅してでも 追っ払うしか手がありません。
長い沈黙のあと、意を決した我々は(どうせ助けを求めようにも 携帯もなければ周りに人家もないのですから)いっせーの、でナイフを片手にテントを飛び出しました。

足摺 石浜


しかし―――人影らしいものは どこにもありませんでした

周りは見渡す限りの石浜・・・月の明るい晩でしたので 走って逃げてもすぐに見えますし、もちろん隠れる場所などありはしません。
みんな怖くなって慌ててテントに戻り、寄り添ったまま震えながら 夜が明けるのを待ちました。
「そ、そういえば・・・影や! 映ってへんかったよな、な。」
何でこんな時に、更に怖いコト言うかな~コイツは
でも確かに言われてみれば・・・月明かりで、近くに一本だけあった木の影は テントにハッキリ映し出されていました。
足音は明らかにそれより近いところを ずっと周り続けていたのに・・・

一睡も出来ないまま夜明けを迎えた我々は、逃げるようにテントをたたんで次の街へ向かいました。
昼近くになってやっと街らしいところへ到着し、人の姿を見ることが出来た時には 本当に嬉しかったですね
雑貨店で食料も調達して ようやく一安心―――まるで海外から戻ったような感覚でしたが、とりあえず誰でもいいから昨夜の事を聞いて欲しい気分です。
怪談話として 怖がらせてやろうかな~という悪戯心もあって、店のおばさんに場所から状況から 口々に詳細な報告を始めました。
すると、暫く聞いていたおばさんが 呆れたようにひとこと・・・

「あんたら、ようあんなとこへ泊まりんさったなぁ」

どうやら我々が知らずにキャンプを張っていた浜は、土地の人なら 昼間でも決して近づかない自殺の名所だったらしく、何とその夏だけでも 2人の入水があったとのことでした
その時から、野営の際に土地の詳しい下調べを欠かさなくなったことは 言うまでもありません。
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雑記・日常

Comment

ひんやり[s:18242]

ってか

『廃村』だけでも十分コワイ
  • 2011⁄09⁄02(金)
  • 17:09

オマケ♪

その廃村の一番奥にあった家で、一人だけ『裸電球の下に、背中向けて座ってる寂しそうなおばあちゃんが居た』と主張してたのは・・・夜中に俺を起こしたヤツでしたe-444e-330
ヤメてくれ~ぃe-190
  • 2011⁄09⁄03(土)
  • 03:04

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